製造業でありがちな「自社製品の良さを一方的に伝える」セールスになっており、"お客様にとって"その製品の何がいいのか・どんなお困りごとを解決できるのか、といったシナリオ設計ができていなかった。顧客が使い方や導入するメリットを想起できる、課題解決型のセールスシナリオを策定した。
アピールポイントが機能面でのアピールのみとなっており、ある程度その分野に知見がない限り、機能面での訴求だけでは製品の良さが充分に伝わらない状況だった。そこで、そもそも製品を製造するためのコア技術、製品が持つ機能、それらが顧客のどんな課題(お困りごと)を解決できるのか、という3視点に分けて製品分析を行い、訴求内容を精査した。
新製品であったことと、ターゲット顧客が技術者であったことから、所謂営業メールではなく、「技術者が読み込みたくなる読み物」のようなメール文面を作成し、メールマーケティングを実施した。技術や製品を正しく理解してもらい、顧客課題を想起させることができれば問い合わせに繋がりやすくなり、6か月で業界最大手を含む大手企業から6社の受注を獲得した。
従来では展示会に出展し、そこで名刺交換した企業に直接訪問する営業活動を行っていた。しかしコロナ禍において在宅ワーク、訪問営業の禁止などが一般的となり従来の営業活動ができない状況だった。会社としては新製品を開発し事業を拡大しくフェーズであったが、肝心の営業活動が満足にできず、受注も0件の状況だった。またWEBで問いあわせが来ることも今までになく、WEBでの営業活動に懐疑的であった。
まず第一に何よりも事業目標(新規受注目標)の達成を目指す。会社からも投資されている部門であったため、安定的な収益化は必須である。またコロナ禍で全く営業ができなかった経験を経て、WEBを活用しながら新しい営業手法を確立・仕組化できている状態も目指す。
製造メーカー業界でよくある「企業視点での製品紹介・製品特長の訴求」になっており、「お客様がその製品の良さを理解する、導入したときにどのようなお困りごとを解決してくれるのか」が想起しづらくなっていた。まずはターゲットとなる顧客を業界や企業規模などのセグメントに分け選定。市場規模や景気動向を調べながら、マーケティング施策を実行する顧客の優先順位を含めて選定を行った。また製品を顧客視点で客観的に評価するため、競合製品との比較を行った。ターゲット顧客の選定基準を明らかにしながら、競合優位性を明確にした。顧客を選び、顧客にとって何が競合優位の要素となるかを明らかにすることで、顧客から選ばれる製品訴求設計を行った。
この製造メーカーでは製品力(製品自体の機能)は訴求できているが、その機能を担保する技術は何か、その機能は顧客にとってどのようなベネフィットを生み出すか、という観点が整理されていなかった。製品力を機能とそれを実現する技術力に因数分解することで、納得感のある訴求ができるだけでなく、その技術自体に興味を持つ顧客の獲得などが可能になった。加えて、顧客のどのような課題を解決できるのか、という課題解決の観点を整理した。誰にとって価値のある機能なのか、という視点を入れることで、技術や製品の訴求方法や強調すべき点を変えて訴求内容を精査、マーケティング施策を実行する際にターゲット顧客の関心ごとやお困りごとに合わせた訴求が実現した。
BtoBマーケティングでは、意思決定プロセスにおいて複数の人間が関わるという特徴がある。そのため実際に施策を実行する際に、ターゲット企業の中で実行施策の受け手は誰であるかを意識した施策展開を行った。実際には、新製品であったことと、ターゲット顧客が技術者であったことから、所謂営業メールではなく、「技術者が読み込みたくなる読み物」のようなメール文面を作成し、メールマーケティングを実施した。技術や製品を正しく理解してもらい、顧客課題を想起させることができ、結果として問い合わせに繋がりやすくなり、6か月で業界最大手を含む大手企業から6社の受注を獲得した。